心に残る言葉

私の祖父はもう80歳以上ですし、アルツハイマー病で暗記力がほとんどなくなってしまいました。が、まだ覚えることがいくつかあります。それは「心に残る言葉」といってもいいでしょう。

祖父は老人医療施設で暮らしているので、祖母が毎日、それに私と両親と兄弟が時々訪問することにしています。訪問するとき、まずは私たちの名前を言うように頼んでみます。祖父は必ずしも思い出すことが出来ません。でも、まだラ・マルセイエーズなら全部ちゃんと歌えます。ドイツで生まれたユダヤ人で、子供の頃に家族とドイツから逃げなければなりませんでした。そのときの感情がまだ孫に教えられます。子供の頃、自分をドイツ人だと思っていましたけど、ドイツ社会の調子が悪くなるとともに、殺されそうになるほどいじめられていました。アメリカへ移住した後で、本当のアメリカ人になりましたけれども、まだどこか胸でドイツ人の部分が残ります。

このドイツ人の部分を現すのは子供の時代に暗記した詩です。それはシラーの「Die Bürgschaft」という詩です。長いですが、そらで言えるばかりでなく、くくーっとパフォーマンスをします。祖父がこの言葉を言うとき、かつての勢いが見える。

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